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新入社員の受け入れで、顧みられないこと

~ブラックボックスの中をどう見える化するか?

 

4月1日まで2か月を切りました。

今、多くの企業で「新入社員の受け入れ準備」をされています。

 

外部から人事施策を支援させて頂いている私にも、

今年に入って、多くの企業から新入社員研修の問い合わせや、OJT体制の構築等お声がけ頂いてます。

 

その中で、

・一人前の社員に向けて、どんなマインド、スキルを習得させるべきか?

・新入社員の導入研修で どこまで学んでもらうのか?

 (残りの部分は配属された職場で学びます)

・配属や、計画的なローテーションについて

・OJT体制の構築をどのように行うのか?

・そのメインの責任者であるOJTトレーナーを誰を選任し、

 どんな教育を受けされるのか?

といったことについて率直にディスカッションをさせて頂いています。

 

しかし、人材開発担当者とのディスカッションの中で

1つだけ顧みられていないことがあるように思われてなりません。

それは、

配属後に(仮配属も同様です)

『新入社員にどんなタスクをしてもらうのか』

ということです。

以前もコラムで指摘したことがありますが、

OJTはブラックボックスです。

https://www.casica.me/column-002/

新入社員がどんなタスクをしているのか、現場任せの企業が多いようです。

 

昨年も弊社が開発した『casica』を導入して頂いた企業で、

使用済みの『casica』を見せて頂きました。

そうすると、

・上司や先輩が無造作に仕事を振っている

・成長に向けて、階段状にタスクが設計されていない

・いつまでたっても上司や先輩の補助業務ばかり

といったことが起きていました。

 

『経験学習モデル』にあるとおり、

人間は経験によって、成長していきます。

(もちろん経験するだけでいいわけではありません)

この採用難の中で、折角採用した新入社員に対して導入研修を行い、

OJTトレーナーに任せても、

肝心要の『経験するタスク』が職場任せでは、

”千丈の堤も蟻の一穴から”

になりかねません。

 

一度、貴社の中で、一人前社員の能力要件を元に

職種ごとに

配属から数か月はもちろんのこと、

『新入社員が一人前の社員になるまでに、どんなタスクをしてもらうのか?』

そして、

『そのタスクで、どんなことを感じ、どんなことを考えたのか、

 振り返る機会をどう作るのか?』

を検討してみるといいでしょう。

検討した上で、職種ごとのモデルケースを作成し、

それをOJTの叩き台、補助線にして頂くと、

貴社の大切な新入社員に、

一日でも早い戦力化一人前社員への成長

図られるでしょう。

 

松本 宜大